ペテン師の乞食と酒を酌み交わしたが
やはり邪気にあてられて
体調が悪い
そいつは宗教家ぶって
正当な講釈ばかりかたるので
ときにまともそうな人間に見えるが
人の金でただ酒を飲み
また生活を破たんするくらい酒におぼれ
飲み屋でしか自分の
ペテン師ぶりは発揮できないから
毎日飲み歩き大ぼらをふく
金がなくなると 今までとは
打って変わって憐れまれるような表情で
お金を貸してくれと言ってくる
だけどおれはおれでそいつを見放せなでいる
そいつが去っていくまで
そいつが気づくまで
根競べだ
しかしどこかでもう限界だと叫ぶ俺がいる
このペテン師を泳がしているのは危険だと
ペテン師はいずれ 道端の煙草を吸いながら
誰かが捨てた飲みかけの缶ビールを握りしめ
浮浪者になっても誰かを
うまく言いくるめようとするのだろうな
なかなか面の皮が厚くてみんな
そのポーカーフェイスに騙されてしまうんだ
しかしよくみるとすぐにそのほころびに気付くだろう
ああ彼が気づきますように
おお君にいつか大きな返済が
迫ってくるとき君は誰に嘘をつくのかな
おお 逃げてもだましても
最後は何もかも通用しない時が来るのだから
それは 自分で引き受けなければならないのだから
どこに歩いていくんだろう
宗教の傘をかぶって人をだますことが
一番罪深いという事を知らないのだろうか
善念