この度、石川県の地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
江戸時代の有名な和尚さまに良寛禅師という方がおられました。その良寛さまに、災難に遭わない術をきいたところ良寛さまは「災難に遭う時には災難に遭えばよき候死ぬ時には死ねばよき候」とお答えされまた。
人間は生きている以上想像を絶する苦難を引き受けなければならない時があります。それは生きているという事の証拠のようであります。お釈迦様は人生は苦しみだと申されました。
この人生に希望を抱き、楽しみをもとめ人生を謳歌してる時にはこの言葉が邪魔くさく通りすぎていきますが、いざ人生の大きな壁にぶつかり絶望に叩きつけられ、何をやっても楽しみはなく。
モノクロの無機質な世界に閉じ込められてしまったとき、いよいよこの人生は苦だと言われたこの言葉が輝くのです。
人間は孤独です。たった独りで生まれ、たった独りで死にます。どれだけ心通じ合う仲間や恋人や連れ合いがいようとも、最後に向き合うのはこの頼りない自分と向き合わねばなりません。
それこそ想像を絶する苦しみであります。そんなわたしの心の奥の底の底まで知り尽くし、その底から抱き抱え共に歩んでくださる存在が仏様です。
その仏様の存在に出逢えたときに良寛さんのお言葉の「災難に遭おうとも死に遭おうとも」というそのままを受け止めていくお心がわかってくるのかもしれません。
今年はどのような年になって行くのでしょうか。誰もが予想もつかない明日を迎えるかもしれませんが、できる事は限られています。その限られた中で精一杯生きたいと思います。
合掌
善念