チェーン店レストランのお姉ちゃんは
今の自分に納得いかずに
お客さんに無愛想な態度を見せる
深夜のコンビニのお兄ちゃんは
夢を追うためにとりあえずやってる
バイトを仮の姿だと思い
お客に対して 高圧的な態度で
嫌々商品を袋に詰める
保険屋の兄ちゃんは
自信家で俺が世の中を救っているのだと
言わんばかりの態度で
自慢げにどれだけ契約を取ったかを語る
居酒屋の定員は
いきが良く元気で大きな声で注文を取るが
そんな自分に酔っているだけで
お客の為になんて微塵も考えてない
花屋のスタッフは
毎週花を届けに来るのだが
最近恋をしているようで
花なんてどうでもよくなって
玄関口に投げ捨てていく
お寺の坊さんは
いきなりお寺に訪ねて教えを
きかせてくださいなんて言うと
金にならねえと思うのか嫌な顔して
ちょっとこれからお通夜があるので
なんて どっかに出かけてしまう
学校の先生は 親や教育員会や
上司や子供にがんじがらめにされて
心からの教育なんてできない
ちょっと躾なんてしようものなら
親がすぐに怒鳴り込みにやってくる
ボタンの掛け違いだけで
おかしな方向に歩いていくんだね
てくてくてくてく
くたびれただろう
もうよそうぜ
自分ばかりの人生は
掛け違えたところから
一つずつなおせば
あなたらしい
あのまっさらな笑顔に戻れるはずさ
今夜 無人列車に乗って
星の銀河を わたっていこうね
善念